院長あいさつ
オハナ糖尿病内科クリニックの田中秀樹です。
私の祖父は2型糖尿病でした。
今ほど、簡便なインスリンがない時代でしたが、1日2回のインスリンを注射する姿は僕にとって日常的な光景でした。
毎朝決まった時間に野菜たっぷりの朝食をとり夕方になると従業員達と談笑しながら柿の種とさきイカをつまみにちょっとだけビールを飲む、そんな毎日でした。
たまに食べる好物のまんじゅうは、中身の餡をほとんど取り出し、皮にほんのすこしだけ残った餡で”これで十分甘い”と嬉しそうにゆっくりと味わいながら楽しんでいました。
旅先の旅館では仲居さんに自分が糖尿病であるため料理を完食できないことを伝え、すべての料理を一口ずつ満足そうに食べていました。
そんな祖父が身近にいた自分にとって”糖尿病のある暮らし”は自然な光景でした。祖父自身も糖尿病であることを後悔することなく、日々の生活を楽しんでいるように思えました。毎月の診察を欠かさずに行うことで50年近くの糖尿病人生で、初期の腎症、神経症を合併していましたが、生活に支障が出るほどの状況にはならず僕が医師になって2年目の夏に天寿を全うし天国へ旅立ちました。
そんな祖父との過ごした大切な時間が、私が糖尿病内科医となったきっかけであったのかもしません。
“生活習慣病は痛くも痒くもないのに、どうして病院に定期受診しなくてはいけないの?”と良くきかれます。
糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧、脂質異常症、高尿酸血症)は血管の老化を早め、脳梗塞、心筋梗塞、認知症の原因となり最近では発がんや骨折の危険性も増すことが指摘されるようになりました。
生活習慣病はただ薬を飲めばいいというものではありません。
どうしたら、薬を必要としない治療ができるか?薬を使うとしても効率よく使用できるか?
長い経過の病気です。当院スタッフは“チームオハナ”として皆さんを最先端の知識と豊富な経験で全力サポート皆さんの“糖尿病のある暮らし”を応援したいと思っています。なんでも気軽にお話しください。
~当院が大切にしていること~
当院は皆さんとの会話を大切にしています。
オハナ糖尿病内科クリニッックのオハナ(Ohana)とはハワイ語で家族と言う意味。当院に通院されるオハナのことをもっと知りたい。受付スタッフ、検査技師、看護師、栄養士など多くの糖尿病専門スタッフがみなさんとのおしゃべりを楽しみにしています。
なぜって?
それは糖尿病治療は個人個人に合わせたオーダーメイド治療だからです。
糖尿病治療の目標は人生の最期の時まで寝たきり、認知症にならずに自分のことは自分で行い、自分らしく生きること。
この目標を達成するためには、糖尿病治療以外にも血圧、脂質の管理あるいは睡眠の質の管理などなど多岐にわたる調節が必要です。
このように聞くと多くの方は大変だ!!と思われるかもしれません。大人になってからの忙しい生活から想像すると大変かもしれません。でも思い出してください。子供のころ。お父さんやお母さんはみなさんに、規則正しい生活をするようにお話してくれませんでしたか?
あるいはみなさんにお子さんやお孫さんがいらしゃれば、こんな風に毎日を過ごして欲しいと思われる生活はありませんか?
朝はきちんとおきて、朝ごはんを食べましょう。おやつは食べても夕食に影響するような食べ方はやめましょう。しっかりと外で遊びましょうと言われたことがあったとおもいます。
大人になった今はどうでしょう?せっかくの休日。ゆっくり寝ていたいとお昼頃までベットでゴロゴロ。一日中テレビの前で過ごすなんてことがあるのではないでしょうか?
糖尿病治療で最も大切なことは生活のできるだけリズムを保つこと(できるだけがポイントです。完璧にはできませんから・・・)。薬を使うことではありません。
糖尿病治療で大切なのは個々の患者さんの生活背景をしっかりとお聞きした上で最も適切な治療法はなにか?を考え提案し患者さんと一緒に日々悩みながら工夫を重ね長期間緩やかに治療を継続することです。
年齢の違い、性別の違い、家族構成や職業の違いなどなど・・・。一人一人の背景は皆違います。
最適な治療法をみなさんと一緒にかんがえるために初めて当院を受診された時には糖尿病専門の看護師がじっくりと時間をかけてみなさんの思っていること。みなさんの生活環境などをお聞きします。その上でまず、何から調整するか?当面の治療方針を決定します。
100人のオハナがいれば、100通りの生活スタイルがあり、治療があります。
一度決定した治療の方法も毎回少しずつ方向修正が必要です。
今月はお祝い事があってたくさん飲んだしたくさん食べた。楽しい旅行に行った。元気に楽しめてよかったですね。その時、嬉しかったこと、楽しかったこと。私達にたくさん教えてください。次回の楽しい旅行にむけて少しだけ注意をした方がいいことはなにか?一緒に考えましょう。(美味しかったお店の名前、僕にこっそり教えてください。僕も行ってみたいです。)
風邪をひいて食事が美味しくなかった。大変でしたね。今度風邪をひいて食事が喉を通らないことがあったらどのように対処したらいいか?看護師とゆっくり話をしましょう。
他院で新しい薬が始まった。その薬と糖尿病が関係しないか?糖尿病以外の病気の治療も大切です。糖尿病がその病気の治療に影響しないように一緒に考えましょう。
手術をすることになった。慌てる必要はありません。手術にむけて最適な血糖コントロールになるように、通常よりも頻回にお会いしながら血糖コントロールを行いましょう。
糖尿病になって嬉しい人などいるはずがありません。
でも、糖尿病になってから新しい出会いがあった。前向きに頑張ろう。
という気持ちになっていただきたいと考えています。
クリニックに定期的に通院することは面倒だけど・・・。あそこにいったらなにかあるかも?
とおもっていただけるように、季節の飾り付け、定期的に行うイベント、勉強会など皆さんと楽しみながら長くおつきあいできるクリニックを目指してスタッフ一同、日々頑張っています。
最近あたらしく患者会 オハナ・レアの会を立ち上げました。レアとは活動的、楽しみという意味のハワイ語です。
レアの会は糖尿病は同じ病気をもった方々が集い一緒に支えあいながら糖尿病のある暮らしを前向きに頑張っていただくための緩めの集まりです。今後オハナ・レアの会を中心に様々なイベントができたら良いと考えています。
ご興味のある方はスタッフに一言お声がけください。
院長 田中 秀樹
経歴
- 平成9年
- 帝京大学医学部 卒業
- 平成9年
- 帝京大学附属市原病院 第3内科
- 平成11年
- 東京警察病院 シニアレジデント
- 平成17年
- 帝京大学大学院医学研究科 卒業
- 平成17年
- 海老名総合病院・糖尿病センター
- 平成19年
- 同院 副医局長
- 平成20年
- 糖尿病センター 医長
- 平成23年
- 〃 部長代理
- 平成24年
- 〃 医局長兼務
- 平成25年
- 〃 部長
- 平成29年
- オハナ糖尿病内科クリニック 開院
資格・所属学会
- 医学博士
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
- 日本糖尿病協会 療養指導医
- 日本抗加齢医学会 抗加齢専門医
- 日本肥満学会 肥満症専門医・指導医
- 日本内分泌学会
看護師 紹介
糖尿病(または糖尿病予備軍)と診断された時から、普段の生活の中で糖尿病と上手に付き合っていくにはどうしたらいいのだろう?と不安や疑問が生まれてくると思います。食事や運動、必要時投薬等、忙しい日々の生活の中で大きな負担を感じる事もあるでしょう。
私たちオハナの看護師は、糖尿病専門の研修を受け経験を積んだ看護師(日本糖尿病療養指導士)として、患者さん一人一人がその人らしく健やかに楽しく生活していけるようサポートしたいと願っています。普段の生活の中で、困っていること、うまく出来た事できない事など、遠慮せずにいろいろお話しください。悩みを解決し、すっきりして、一緒にこれからの目標を立て、生活の中で自然と糖尿病と上手に付き合えるよう、支援していきたいと思います。
地域連携も大切です。クリニックスタッフのみならず、他の医療施設、介護保険等福祉関係、患者さんの家族と情報交換して連携できるよう、私たちが中心となって積極的に関わっていきます。治療の主役である皆さんを支えるチーム医療を推進していきます。
看護相談の内容
- 糖尿病とはどんな病気か?(血糖コントロールの目標、合併症など)の説明
- 薬の管理
- 低血糖症状と対処方法
- 自己注射の手技指導
- 血糖自己測定 手技指導と血糖パターンマネジメント(血糖値と生活を振り返り評価する)
- シックデイルール(糖尿病以外の病気になった時の注意点)
- 予防的フットケア(足の評価とケア)(足を大切にするケアと足壊疽予防)
- その他、皆さんからの不安や質問
「初心者向け糖尿病集団教室」、「季節のイベント」、「クリニックの患者会(オハナ・レアの会)」、これらの運営も行っています。楽しく仲間作りをしながら、糖尿病を学ぶ様々な機会を提供しています。
栄養士 紹介
管理栄養士の関です。
当院の栄養相談についてご紹介します。
栄養相談は、月~金曜日の午前中に行っています。ゆっくりお話しをさせて頂くため、30分ごとに1枠の予約制になっています。また、毎回INBODY(体組成計)を使って、体の部位別に筋肉量や体脂肪量の測定もしています。
「栄養指導」というと、「怒られる」「色々ダメと言われる」「数字で言われて難しそう」というイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれません。私も食べることは大好きなので、食生活で「ダメ」が増えると悲しくなる気持ちは分かります。当院では、「栄養指導」という言葉は使わず、「栄養相談」と呼んでいます。栄養相談では、まず今の皆さんの食事内容や困っていることを伺います。何時ごろ、どんなものを召し上がっているのか、どんなものが好きなのか、どうしても譲れないこだわり、食事での悩み…など。今の皆さんの食事をベースに、今後の食事についてどうしたらよいか一緒に考えさせて頂いています。
糖尿病食は特別な食事ではなく健康食です。皆さんの食事が変わることで、一緒に食事をする皆さんのご家族まで健康になれたら嬉しく思います。
臨床検査技師 紹介
私たち臨床検査技師は、当日の診察時に必要な血液検査(血糖値・HbA1cなど)と尿検査を行っています。また糖尿病による合併症を未然に防ぐために頸動脈超音波、ABI(血管年齢検査)、心電図などを定期的に検査して血管の状態をチェックしています。
通院の際はご体調面での不安や困っている事、また普段の生活の様子などを気兼ねなくお話しください。
オハナスタッフがチームとなって少しでも皆様の悩みや疑問が改善される様、努めて参りたいと思っております。
事務員 紹介
ご来院された患者さんやご家族と最初とお帰りの際にお話しさせていただく私たち事務スタッフは 明るく、元気で丁寧な応対に努めております。
ご不安な気持ちや緊張を少しでも和らげることが出来る様に清潔で居心地の良い空間づくり、季節感のある飾り付けなどをおこなっています。
これからも皆さんとたくさんお話ししていきたいと思っております。
お気軽にお声かけください。
日本糖尿病療養指導士
私たちは、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)です。
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)とは、皆さんの糖尿病セルフケアをお手伝いするために専門的な教育をうけ、多くの経験を積んだ専門スタッフのことです。
この資格は、専門の試験に合格した看護師、管理栄養士などの専門職種に与えられます。
私たちは常に自己研鑽を重ね、糖尿病治療についての高度で幅広い専門知識を持つことによって、皆さんのお役に立ちたいと考えています。
私たちに皆さんの日々の疑問や心配事をなんでもご相談ください。